女性としてのアイデンティティロス
どうしてこんなに夫の元カノが気になるのか。
SNSでねっとり追跡したり(調べすぎて彼女のアカウントがfacebookの『知り合いかも』に出てくるまでに)、家にあるタオル一つにも「彼女との旅行先のおみやげだろうか…」とやきもき。
テレビで元カノに似たタイプの女性が出てくると、夫に「あなたの好きそうなタイプだね」とねちねち。
正直、自分でも異常だと思う。
苦しい…。
子供を産むまでは、こんなことはなかったのに…。
その原因は「不安」だ。
「すでにもう自分は女性として愛されていないのではないか」という不安。
妊娠・出産によって、体型が変わってしまったというのがひとつ。
もっと大きい変化があったのが、夫婦の関係だ。
男と女よりも、父と母としての役割を優先せざるを得ない。
夫婦仲はいいけれど、それはあくまでも「母としての自分」が愛されているだけで、
もともとの「女性としての自分」はもはや求められてないのでは…という気持ちに追い込まれる。
仕事を休むことで「社会的な自分」を失ったことに加えて、「女性としての自分」までもなくなってしまい、もはや「今までの私」はどこにもいなくなってしまったのだ。
猛暑で家に閉じこもる毎日、これまで外に世界で発散できていたエネルギーは夫にのみ向けられて、執着と不安がどんどん増幅していく。
夫もそのエネルギーを受け止めることに疲弊し、どんどん夫婦関係は悪化していった。
このままじゃダメだ。
ということで思い立ったのがダイエット。
体型だけでも以前の自分を取り戻したい!
髪も切って、明るく染めた。
余裕がなくて一日中Tシャツと短パンだったのを、
フェミニンなワンピースに変えた。
毎朝子供と一緒にお見送りをし、
夜は恥ずかしかったが、思い切っておやすみのキスをする。
そうすると、夫からの愛情表現も見られるようになり、
少しずつではあるが、「父と母」ではない「男と女」の時間も増えてきた。
でも、まだまだ苦しいし、元カノの検索はやめられない。
執着を手放したときは、「父と母」であることを受け入れ、「男と女」を諦めるときなのか…。
それもちょっと、さびしいよね。