夫との飲み会バトル
遅い。遅すぎる。
学生時代の友人と飲みに行った夫が帰ってこない。
「なるべく早く帰ってきてね」と約束したはずなのに…。
結局、夫が帰宅したのは午前1時半。
泥酔して眠る夫をみながら、むらむらと怒りが湧いてきた。
仕事の飲み会ならまだしも、なんでお前が遊んでいる間、私がひとりで育児家事せねばならぬのだ!!!!
夫の飲み会をめぐる喧嘩はこれが初めてではない。
飲むのが何より好きな夫、妊娠中から午前様を繰り返し、
そのたびに「なるべく遅くならない」と約束していた。
子供が生まれてからは飲み会の数は減ったものの、それでも週1~2は当たり前。
取引先との会食や会社の送別会など、仕事関係の飲み会については快く送り出してきたが、プライベートでも二次会三次会とずるずる飲むとなると話は違う。
一度、なぜそんなにだらだら飲み続けるのか聞いたところ、呆れた答えが返ってきた。
「子供産まれて付き合い悪くなったと思われたくなくて」
単なる見栄じゃねえか!!
そもそももう今までみたいな独り身ではないんだ、
子供優先で付き合いが変わるなんて当たり前のことだろう。
しかも腹立たしいのは、こちらの都合も聞かずに決定事項としてスケジュールを伝えてくることだ。
「どうせお前には予定なんてないんだろう」という気持ちが透けてみえる。
そりゃそうだ、こっちはずーーーっと育児育児育児で、
あんたみたいにひとりで遊びにいく予定なんていれられないよ!
結局、突き詰めて考えると、妻は子供を産むことで仕事もライフスタイルも(体型も)すべてが変わり自分を捨てた生き方にならざるを得ないのに、夫はほとんど何も失うことなく自分本位の生活を維持しているという不公平さが耐え難いんだと思う。
というようなことをぐるぐる考えているうち、
どうにも怒りがおさまらなくなり、
始発で子供を連れて実家に帰った。
(最初は子供を置いていこうかとも思ったけれど、
酔っ払いに任せて何かあったら死にきれんから…)
午後になってやっと迎えに来た夫、
「どうしてこれぐらいのことで怒るのか」と憮然とした様子。
互いの言い分を整理することにした。
私:前提として、生活費は現在ワリカンなので、当然家事育児も平等に分担すべき。
確かに自分は育休中であるが、それは夫が仕事をしている日中に子供の面倒をみるためのものであり、その他の時間は育児はふたりで行われるべき。
にもかかわらず、夫のプライベートの飲み会=遊びのあいだも私がずっと面倒をみさせられているのはなぜなのか。
月イチくらいなら羽根を伸ばしてきたらと思えるが、現状ではあまりに数が多すぎて自分の負担が過多になっている。
プライベート飲み会に行くにしても、一次会に顔を出せば充分義理は果たしている、二次会三次会までずるずる行く意味が分からない。
夫:自分が家にいない間育児してくれていることについては感謝しているし申し訳なく思っている。ただ、自分としてはかなり飲み会の数を減らしているつもりだし、そもそも午前1時半という帰宅時間がそこまで遅いとは思っていない。
二次会三次会については、一次会からは参加できないメンバーもいるし、先輩などから誘われて断れないこともある。
本当に申し訳ないと思ってるならさっさと帰ってくるだろうがっ!とまたまたキレる私だったが、
ここで、夫と議論するには明確にルール化、数値化しないとダメだと気づかされた。
週1、2の飲み会は私にとっては多すぎるが、夫にとっては少ない。
午前1時半の帰宅は私にとっては遅すぎるが、夫にとってはそうではない。
互いの意見をすりよせて、ここに我が家の憲法が誕生した。
■総則
一.子供が手が離れるまでは、互いに育児を最優先にする
一.夫と妻それぞれが育児に対して当事者意識を持ち、共同で育児を行う
■第一条 飲み会
一.プライベートの飲み会は原則月一回。その他は、飲み会の性質や重要性に応じて、参加の可否を妻と協議の上で個別具体的に判断する
一.帰宅は原則12時までに。ただし、会社の送別会や酒好きの取引先との会食など、付き合わざるを得ない飲み会の場合はこの限りではない。その場合は事前に妻に諮り、同意を得ること。
一.妻も月一回自分の時間を持つ。
しかし、夫という生き物はこんなことまで明文化しないといけないのか…。
「夫婦は他人」という事実を今更ながら突きつけられる。
自分の「当たり前」は相手にとっては「非常識」。「察して」なんてムリムリ。
細かなことまでイチイチ言葉で確認が必要なんだ…。
とはいえ、ルールを作ったらこっちのもの。
破った場合、正々堂々と相手を糾弾できるというものだ。
復帰に向けて、これからますます衝突が増えるだろう。
いったい我が家憲法はどこまで長くなるのやら…